home


II 木製サッシにはどんなものがあるか

 木製サッシには、いろいろな開閉方式があります。
 窓枠とガラス戸が一体となってつくられているので、さまざまな性能と特徴を生かした、多様な開閉機能を持たせることも可能です。
 ここでは、木製サッシの代表的な開閉方式とその特徴を説明いたします。
 窓・開口部の選択の参考にしてください。

1 引き窓
レールの上のガラス戸を引いて開閉する方式で、我が国ではもっとも一般的な方式です。気密性の高い窓も製作可能です。

引き違い窓
開口部に複数の可動ガラス戸を建てたもので、それぞれが別々のレール上を窓幅一杯に動かすことができる窓です。


片引き窓
開口部におけるレールは一 本で、可動ガラス戸が単窓 で片側を「はめ殺し」にするもの、壁になるもの等があります。
また、可動ガラス戸を二連にして左右に開く「引き分け窓」もあります。


大型引き戸(ヘーベシーベ)
特殊なハンドル・戸車により超大型の窓・戸でも開閉操作は極めて軽く、平易です。
引き違い、引き分けの組み合わせによる連窓で、大開口を可能にする方式です。
自然換気用に内倒し機構を備えた「ヘーベシーベキップ」もあります。


2 開き窓
窓のたて枠にガラス戸の框を蝶番で連結し、ガラス戸が室外(「外開き」)、もしくは室内(「内開き」)に開く窓です。
気密性・水密性が高く、洋風の雰囲気を持つ方式です。

片開き窓
ガラス戸が単窓で、右もしくは左に開く窓です。


両開き窓
窓枠の中央で二枚のガラス戸が合うようにして、左右に開く窓です。


3 突き出し窓
片開き窓の窓枠とガラス戸を連結する蝶番の位置を上枠もしくは下枠に変えたもので、気密性が容易に得られ、防犯性も良く、古くから広く用いられている方式です。

突き出し窓
蝶番を窓の上枠にて連結し、ガラス戸の下框を室外側に突き出す窓です。


外倒し窓、内倒し窓
蝶番を窓の下枠にて連結し、ガラス戸の上框を室外側もしくは室内側に倒し込む窓です。


4 すべり出し窓
窓枠とガラス戸を方杖金物で連結し、ガラス戸のハンドル側を押し出すと反対側にも開口ができ、窓枠に沿ってすべり出し、自由な角度に止めることができます。清掃・換気に便利な窓です。

横軸すべり出し窓 
窓たて枠に方杖金物(ステイアーム)を取り付け、ガラス戸を下端から室外側へすべり出すように開く窓です。


たて軸すべり出し窓 
窓横枠に方杖金物(ステイアーム)を取り付け、ガラス戸を縦框から室外側へすべり出すように開く窓です。


5 はめ殺し(Fix窓)
採光や眺望あるいはデザインのために壁面の一部にはめ込まれた開閉機能のない、固定の窓です。


6 内開き・内倒し窓(ドレーキップ窓)
ハンドル操作により、内開きおよび内倒しの使い分けができる機構を備えた窓です。気密性・断熱性に優れ、自然換気の内倒し状態でも外部操作ができない高防犯性能を有する方式です。


7 上げ下げ窓
洋風建物に広く用いられている方式で、上下に開閉する使い勝手の良い便利な窓です。窓縦枠にスプリング・バランサーを設置し、なめらかな開閉機能をもたせたものや、ガラス外面の清掃に便利な内倒し機能がついているものもあります。


8.回転窓
水平、または垂直を軸としてガラス戸が回転する方式で、その回転角度によって換気を調整することができます。
ガラス戸は180度回転できるので、ガラス外面の清掃が容易です。

横軸回転窓
窓縦枠上に軸をとり、水平で軸回転する窓です。


9 天窓
傾斜屋根面に取り付ける採光や換気の窓。各種ブラインドにより、採光や熱反射調節が可能です。換気性能や取り付け位置により、はめ殺し・中軸回転・突き出しの3方式から選択できます。開閉方法も手動と電動があります。


10 折れ戸
ガラス戸連窓を内折れもしくは外折れにできるので、大開口を可能にする方式です。また、連窓のうち、端の1枚を独立して常用出入口として単独開閉(内開き・内倒し窓)させることもでき、エクステリアに最適です。


home